Hiromi's Gallery 1

ジョージ時代の茶器

No.93 コールポート 真紅のペンブローク・トゥルートリオ(英1825年頃)

言葉にならない美しさ…名窯コールポートの約200年前のトゥルートリオ。

 

まるで蔓葉の先のように、くるんと巻いたロートハンドル。

丁寧に金をあしらえた立体感のある縁はガドルーン仕立て。

金彩装飾のフレームの窓絵には、今にも香りが漂ってきそうな…まるで本物の如く麗しい野花がふくよかに描かれています。

 

深い真紅に、盛り上げて装飾された金の華がまた豪華絢爛。

造型、絵付け、金彩、発色、どこをとっても当時のアーティストや職人達の卓越した技術が伺える逸品です。

No.101 ウースター窯 紫紺(しこん)と茜色の花紋ティーボール(英1780-1800年)

このシェイプは、Twisted Shanked Flutingとも呼ばれ、縦の波打つかたちがツイストしたシェイプです。

 ニューホール窯のパターンブックの著者パトリシア・プリラー氏や、エクセターのオークショニア専属鑑定士にも相談したところ、光の透過性や素地の色や状態、成型の特徴からウースター(デイヴィス/フライト期)の作品であろうとご意見をいただきました。

このS型が連なった花紋は、ニューホールやダービーなども同様の色で同じ絵付けを施しており、人気の柄だったことが伺えます。

 

各フットの内側に「D」というイニシャルが手書きされていますが、この位置にあるものはメーカーズマークではなく、絵付けを施したアーティストのサインと考えられています。

No.102 ダービー窯 ティーボール&ソーサー(英1785年)

精錬された金彩師によって、蔓葉のスクロール紋様が完璧なまでに美しく描かれ、花は透明感のあるエナメルで少し盛り上がるように彩られています。

 

ソフトな縦縞のフルート装飾シェイプの磁器が、透明の滑らかな釉薬に覆われ、触ると…どこか優しくあたたかい…そんな風に感じる古い時代の手作りのティーボウルです。

 

ダービー窯が英国王ジョージ3世(1760-1801)から与えられた「窯印に王冠を付す」栄誉-クラウンが描かれた窯印も、下の画像でご覧ください。

 

同窯は、イギリスの王侯貴族はもちろん、ナポレオン1世からの注文を受けていました。この作品自体は、ナポレオンの時代よりも少し古く、フランスでは丁度マリーアントワネットの「首飾り事件」があった頃、イギリスでは産業革命が始まった頃の時代と思われます。

No.103 ウースター第一期 瑠璃と花のトゥルートリオ(英1765-1770年代)

イギリスで陶磁器の生産が始まり、まだ少なかったそれぞれの窯が試行錯誤しながら作品を生み出していた1700年代後期。その時代から幸運にも、ダメージ無く伝世されてきた美しい茶器、縦に波が打つヴァーティカル・フルーテッドシェイプの初期(Dr.ウォール期/ディヴィス期)のウースターの作品です。
ティーカップの製造は始まっていたものの、未だオリジナルの中国スタイルでティーボウルでお茶を飲むということにこだわるイギリス人が多かった時代、このティーカップは数少ないその当時のティーカップの一つです。
・磁胎はソープストーンを含有したステアタイト磁器(軟質磁器の一種)
ソープストーンは目の詰まった滑らかな鉱物の一種で、これを含めたステアタイト磁器は、成型が容易で強度と耐熱性に優れていました。ウースター窯の創業者Dr.ウォールらはこの磁器の製法に注目し、ルンズ・ブリストル窯を買収してウースター窯を設立しました。
このステアタイト磁器の特徴は、少し緑グレーがかかった色で、光に透過させると若草色に見えます。
・バックスタンプ-全てのピースに手書きの染付けC(クレセント)マーク
・ペッギングの跡-初期のウースターの作品に見られるPegging(ペッギング)も確認できます。Peggingとは、余分な釉薬が流れ出るのを防ぐために用いられた手法で、焼成する前にカップやソーサーの裏底にある高台内側数ミリの部分に溜まった釉薬を、木の釘(Pegg)を用いて削ぎ落とすことです。
そのため、このような初期のウースターの作品には高台内側の数ミリの幅に釉薬が無かったり、非常に薄くなっていることが確認できます。

No.104 カゥフリー窯 金彩のティーボール (英1780年)

カゥフリー(Caughley窯)は、1775年から1799年に存在した英国初期の窯。

 

その作品は、チェルシー窯やボウ窯、ロウストフト窯等と同様に、英国アンティーク陶磁器初期の希少なコレクターズアイテムとして一目置かれています。

 

この縦に波打つシェイプは、1770年代頃から各窯で多く製作されました。磁胎は、クリーム色の軟質磁器。ふんわりと花開いたようなティーボールのシルエットは優しく、また金彩のみの装飾はシンプルかつ気品があります。

No.105トーマス&バー期のウースター窯 フライトの青い小花ティーボール&ソーサー(英1783~1792年)

トーマス・フライトのFlightがクリアにサインされた貴重な作品です。

この形状はTwisted Shanked(要は波が歪んでツイストしているという意味)と呼ばれ、当時は最先端のシェイプとして、とても人気が出ました。

 

柄はすでにアジアの作品のコピーではなくなり、フランスの作品に影響を受けて可愛らしく仕上げられています。この時代のフランスといえば…マリーアントワネット王妃。彼女は薔薇はもちろんですが、矢車草など牧歌的な野の花を特に好んで食器の柄にも用いていましたね。

 

今ではロイヤル・ウースターという名で知れ渡っている名窯ですが、ロイヤルの称号を英王室に与えられる以前の作品です。

No.97 スポード窯 ロンドンシェイプのトゥルートリオ(英1820年)

ティーボールからティーカップが主流になり始めた19世紀初期、趣向を凝らした様々なシェイプの作品が登場します。

中でも1812年頃に現れた、ツンと先端が突き出した独特のハンドルを持つロンドンシェイプはイギリス人からとても愛され、多くの窯が同シェイプの作品を生み出しました。

 

スポード窯のこのカップは、小さな点の集合で躍動感のあるリーフ文様が丁寧に手描きされ、その純度の高いゴールドが輝き、色とりどりの花のブーケは華やかで見ていて飽きません。

No.106 ニューホール窯 花と金彩のトゥルートリオ(英1820年頃)

気が遠くなるほど繊細に彩られた金の紋様に、見事な花々が描かれた華やかなトゥルートリオ(コーヒーカップ、ティーカップ、ソーサーのセット)です。

 

ニューホール窯についてはまた後々、追記したいと思います。

No.107 スポード4896カップ&ソーサー(英1825年頃)

ミュージアムレベルの作品ーヴィクトリア&アルバート博物館も、同作品のティーセットを所有しています。

 

深い藍に浮かぶように描かれた金彩の花は盛り上がり、白磁の美しさも映えて完成度の高い作品。ブーケの絵付けは繊細に圧巻。小さな小さな花びらまで、美しく丁寧に描かれています。

No.108 ジョージアン・ティーキャディ(英1800年前後)

マホガニー製の美しいティーキャディです。

2種類の茶葉をそれぞれ保管するキャディの間に、オリジナルのガラスのミキシングボールが収められています。

 

通常オリジナルのミキシングボールが残っているキャディというのは、現代では本当に希少です。さらにこのキャディのように、鍵が残っていてしかも壊れていないのもまたしかり。

 

ティーキャディは、ご依頼をいただいた方から順にご紹介させていただいています。18世紀の茶器にご興味ある方は、アンティーク・シルバーのページのモートスプーンもご覧ください。