434. コープランド&ギャレット/薄桜色の総手描きティーカップ(英1840年頃)
「コープランド&ギャレット」という窯名を知る方は日本では少ないかと思いますが、1775年創業の英国の「スポード」はご存じの方が多いのではないでしょうか。そのスポードの創業者のご子息が他界された1833年から1847年の間、同メーカーを運営したのがウィリアムテーラー・コープランドとトマス・ギャレット。この約13年の間、スポードの社名はふたりの名をとって「コープランド&ギャレット」とされました。短い期間ですが、装飾の凝った美しい作品を生み出し、その気品ある優雅な佇まいの品達は現代は希少性も高く、アンティーク通の憧れでもあります。
このティーカップも「コープランド&ギャレット」による希少なお品です。特に珍しいのが、この背景の色。淡いパープルとピンクを混ぜたような透明感のある薄桜色。とても綺麗ですね。金彩模様や花絵に使われる金やエナメルは上質のものを厚く施されて、美しい艶光を放っています。生き生きと鮮やかにフリーハンドで描かれた花々は、絵画を見るようです。全体の金彩は厚めの線で豪華に装飾されていますが、ソウサーの中心の植物模様の繊細さには驚かされます。
カップ、ソウサー表面ともに、金彩模様に合わせて凸凹の立体的なエンボスが施されており、より高級感があります。
花絵はもちろんですが、金彩も丁寧に手描きで装飾されており、純度の高い金が使用されているにも関わらず、非常に綺麗に残っています。
私個人の印象ですが、「宝石のようなティーカップ」です。
<コンディション>
欠け、ひびなどのダメージの無い非常に良い状態です。
古いものですので、焼成時のオリジナルの窯傷や貫入があります。下記を必ずお読みください。
ソウサーの縁に長さ4mmほどの窯傷があります。お写真に青の矢印を付けてありますので、ご確認ください。この時代の作品にはよくある焼成時にできるもので、線状ですがヒビではなく表面的な傷です。イギリスではアンティークの個性として受け取られています。
また同じくソウサーの表面に全体ではないですが6割ぐらいの表面に細かく薄い貫入があります。カップやソウサーの裏側にはありません。釉薬のガラス質に入ったもので、こちらも焼成時にできたものですが、見た目が薄くわかりにくいので気にならない程度です。お写真を拡大してご確認ください。実物だと、明るい光に当ててソウサーを目のすぐそばまで持ってきてよく観察するとわかるという程度です。
金彩は、ハンドルの頂点に約2mmサイズ程度の擦れ、ハンドルの底側(見ることはなかなか無いと思いますが)約3mmの擦れ、またよく観察するとカップの縁に僅かな擦れがいくつかありますが、それ以外は全体的に綺麗に残っており、ヴィクトリア時代が始まった頃のお品とは思えないような状態です。特にソウサー中心は剥げやすい部分ですが、繊細な模様がしっかり残っているのは素晴らしいですね。
約180年前に製作されたものですが、その年月を感じさせないほどの素晴らしい保存状態です。
存在感がかなりあります。
在庫:1客のみ
カップ:口径9.5cm×高さ6cm、ソウサー:15.5cm
¥110,000
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