みずみずしい香りまで漂ってきそうな、ふっくらとした手描きのローズは、自然の息吹を感じます。
1840年を過ぎてすぐのコールポート窯(John Rose & Co.)で、花絵に長けたアーティスト、ステファン・ロウランス氏による総手描きのお品です。
入手当時は刻印が無く、窯元不明のお品でしたが、1枚のお品のフットのすぐ内側に隠れるようにして小さく4/412のパターン番号が金で書かれているのを発見しました。フットの脇すぐ内側に約5mm幅の小さな金字で○/○○○と書かれた数字は、典型的なJohn Rose & Co. のパターン番号です。
調査を進めた結果、Michael Messenger著の「COALPORT 1795-1926」の284-285ページにこのパターン番号と同じ品を見つけることができました。同書には、このお品は、菱形のプレートと円形の皿数枚の組み合わせによるデザートセットでボタニカルをモティーフにしたものであり、当時同窯で活躍した絵付け師、Stephen Lawranceによる作品だということが書かれています。(厳密にはコールポート社のパターンブックに、4/412の品は同アーティストによる絵付け『Plants by Lawrance』と記されているのとのこと)
ステファン・ロウランスは花と果物の絵付けに長けた才能あふれる有名なアーティストで、1820年から1846年頃までコールポート専属絵付け師として活躍したとされています。同品は1840-1841年の間に制作されていますが、1841年にコールポートの創始者ジョン・ローズが他界しているため、この時代はコールポート社にとって大きな変わり目であったことでしょう。
縁には立体的なモゥルドが施されており、黄色の塗料と金で彩られています。深い透明感のあるコバルトブルーのボーダーは、マイセン窯やセーヴル窯のそれと比べますと色に濃淡の塗りむらがありますが、そこには手描き独特の人間らしさがあります。3つの窓絵には、色鮮やかな野花のブーケが描かれています。
繊細な金彩に装飾されて、中心にはダイナミックに生命感あふれるローズが、小さな葉の先まで一つ一つ丁寧に描かれています。幾重にも重なった中心の花びらに向かう色のグラデーションが非常に綺麗です。フリーハンドで描かれた絵には、アーティストの自信と楽しさ、そして喜びが垣間見えます。
396①. コールポート/ステファン総手描きローズ・プレート(英1840年頃)
開いた花と蕾が一つずつついたローズの絵付けです。
こちらのお皿にパターン番号が記されています。
欠け、ひび、貫入の無い非常に良いコンディションです。
ほんの僅かですが、中心の円周り等に金彩に擦れがありますのでお写真にてご確認ください。
縁の金彩は、サイドから見ても殆どなく(1mm程度かそれ未満のものが3か所程度)、この時代のお品として驚くほど良い状態です。
直径23.3cm
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396②. コールポート/ステファン総手描きローズと勿忘草のプレート(英1840年頃)
中心にはローズ1輪に忘れな草が添えられて描かれています。
こちらのお皿にはパターン番号が書かれていませんが、中心に小さな四角が組み合わさった刻印と、フットの内側側面に藍色の小さな線状のマークがあります。古いイギリスのお品は、フットの内側側面に書かれたマークはアーティストのサインと言われることがよくあります。
欠け、ひび、貫入の無い非常に良いコンディションです。
ほんの僅かですが、中心の円周り等に金彩に擦れがありますのでお写真にてご確認ください。
縁の金彩は、サイドから見ても綺麗に残っており(1~2mm程度かそれ未満のものが5~6か所程度)、この時代のお品として驚くほど良い状態です。
直径23.3cm
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